だらだらにっき

趣味は読書。毎日特に何かに熱中するでもなく、学校かバイトに行って帰ってきては野球かYouTubeを見て寝るだけ。そんなんだけど、なんかブログに書いてみようかな。

窪美澄さんの「よるのふくらみ」

窪美澄さんの小説を読んだのは2冊目。一冊目は「ふがいない僕は空を見た」だった。

 

今回読んだ「よるのふくらみ」は、幼馴染で、兄弟で、同級生で、いろんな関係が交錯しあう3人の恋愛小説である。

 

よるのふくらみ (新潮文庫)

よるのふくらみ (新潮文庫)

 

 

本屋さんで小説を物色してる際にこの表紙が目に止まった。コンクリートの上をサンダルで歩く女性の足元の写真に白い文字で書かれた作者名と題名。あらすじを読み、まずは「ふがいない僕は空を見た」を買って読破。すぐに「よるのふくらみ」を買いに走った。

 

この小説は人間の様々な感情が書かれている。個人的に共感できる部分も多く、その共感できる部分は自分が人には言えないようなものばかりである。なかなか人に話せるようなことではなかったり、自分だけこんなことを考えているような気がして人に話したことがないようなことなど。

 

人間の感情の難しさが書かれているこの小説。心から好きと思える相手がいてもうまくいかないものだなぁと感じた。

主な登場人物は3人で、それぞれの視点から書かれている。

商店街で生まれ育った3人。中学入学の年に母親が若い男の元に出ていった過去を持つみひろ、そのみひろと付き合い、同居中の兄圭祐。兄と付き合っているみひろをまだ想い続ける弟裕太。

 

複雑な3人の想い。好きだけど、セックスすることができない圭祐。「家族みたいでそんな気持ちになれない」そんな一言からみひろは裕太ともし付き合っていたらと考えるようになる。少しづつ離れていくみひろの圭祐への想い。子供ができれば家族になれる。そこがゴールだと考える圭祐。みひろと圭祐が結婚するなんてずっとわかっていたはずなのに、今更心が締め付けられる裕太。

そんな3人の感情のねじれ、すれ違いで胸が少し苦しくなる小説でした。

 

重いようでなぜか爽やかなこの小説。面白いので是非。