だらだらにっき

趣味は読書。毎日特に何かに熱中するでもなく、学校かバイトに行って帰ってきては野球かYouTubeを見て寝るだけ。そんなんだけど、なんかブログに書いてみようかな。

柚木麻子さんの「本屋さんのダイアナ」

この本は見事に私のテスト勉強の妨げとなりました。

 

柚木麻子先生のせいにしているわけではないですが、まあ妨げにはなりましたね。

今まで小説を読んできて、とてもカテゴリーが偏っていました。今回紹介するこの「本屋さんのダイアナ」は初めて読むカテゴリーの本でした。

 

「最強のガール・ミーツ・ガール小説!!」と書かれた黄色の帯。今までの私なら絶対に手にとっていなかったと思います。なんとなく女子っぽいものを読んでみるかと軽々しく手に取ってしまったこの小説。今ではこんな感じのガール・ミーツ・ガール小説はないかと本屋さんを探してしまうようにまでなりました。この小説に出会えてよかった。

 

主人公は小学生にしてキャバクラ勤の母に染められ金髪頭の矢島大穴。大穴と書いてダイアナと読むキラキラネームとも言い難いファンキー過ぎる名前。父はおらず、母と裕福ではないがのびのびと育ち、本だけが友達だった少女ダイアナ。

そのダイアナと出会い、ダイアナを変え自分自身も変わってゆく親子3人の幸せな家庭に育つ彩子。マクドナルドで昼食を済ますダイアナをかっこいいと感じるほど世間とは少しずれているようなお嬢様である。

 

そんな二人の出会う小学生時代から、高校を卒業し就職までの十数年を描いた小説である。小説なので、「書く」と言う表現が正しいのかもしれないがこの小説は鮮やかであり、残酷であり「描く」と言う表現が正しい気がする。

 

なんだか人生って、人の生き方ってどうなるか誰にも自分でもわからないものなのだなと感じた小説でした。ある一つの出会いや出来事で、その人の人生がガラリと色を変えることもありうるのだとぼんやり考えつつ読んでいました。

女子ってめんどくさいことばかりだし、友達だって本当は何考えてるかわからない。だけど、女の友情も男ほどさっぱりすることは難しいけど悪くないものだなと私は感じました。

なんだかこのダイアナと彩子と同じ時を過ごしたかのような、不思議な感覚に陥る小説。10年以上の時を過ごすことになるけれど重たくなく一気読みのできる作品。本好きの人には是非読んでほしいし、本の裏のあらすじを読めば絶対に読みたくなるはず。

 

本屋さんのダイアナ (新潮文庫)

本屋さんのダイアナ (新潮文庫)